今は休職しているけど、期間中にこのまま体調が良くならなかったらどうしよう・・・と不安に感じている人へ。
以前、こんな記事を書きました。
休職から復職する時はやっぱり怖い。不安との向き合い方
休職して復職できるならそれが一番いいです。
でもそういう人ばかりではありませんよね。休職期間中に病気が治りきらない方も大勢います。そして復職できる人よりもずっと、大きな不安を感じている。
もしそうなら、 復職せずに辞めて大丈夫ですよ。私も一度そうしたことがあります。
加えて、色んな職場で復職できずに退職した人も見てきました。
当時の経験を踏まえて「復職せずに辞めても大丈夫だよ」という理由をまとめました。
休職して快復しないなら退職はやむを得ない
休職期間が終了する直前には、必ず病院に行きますよね。そのときの医師の判断で復職の可否は決まります。
ここで医師が「まだ復職できる状態ではない」と判断すれば、その旨が記された診断書が発行されます。
医師が無理だと判断すれば、仮にあなたや会社が何と言おうと復職はできません。
診断書があればほとんどの会社は退職手続きを取ってくれます。難癖をつけて認めない悪質な企業の方が少ないです。
※その場合は医師や専門家に別途相談した方がよい
もしもあなたが自己判断で診断書を握りつぶして復職しても、デメリットしかありません。
医師が「今は無理」と判断しているのですから、体は追いつきません。いずれ必ずひずみが生まれます。
そして再び体調が悪化したら、どう説明すればいいのか。「医師の許可が出ていなかった」とは言えませんよね。ウソをついて復職したことがバレますから。
少し極端な例ですみません。
ですが会社から「辞められたら困る」などとプレッシャーをかけられていると正常な判断ができないこともあります。
それでも一番大切なのはあなたの体。
まずはこのことをしっかり認識してください。繰り返しになりますが無理をしてもいいことはないですから。
休職から復職できずに辞めたAさんの話
ここである人の話を。仮にAさんとします。
Aさんは持病を抱えながら働いていました。ですが体調が悪化し休職。そのまま復職できずに退職しました。
以下の内容は当時私がAさんを見て、話を聞いて感じたことです。
はたから見てもつらそうだったAさん
Aさんは同じ部署の先輩でした。仕事で関わることも多く、新入りの私に色々教えてくれました。
職場の人はAさんに持病があることを知っていました。
もちろん急に休むことも多かったのですが、それを咎める人は上司も含めてゼロ。病気に理解がある職場だったと思います。
Aさんは職場では明るく、気丈に振る舞っていました。しかし、詳しい事情を知らない私ですら、時折とてもつらそうなのが見ただけでわかりました。
(Aさんは働けるような状態ではないんじゃ…?)
入社して間もない私ですら気が付くほど。それは他の人も感じていたようで。
職場に慣れてきた頃、Aさんは「持病の治療をしている」と教えてくれました。ただそれ以外の症状も出ているように見えました。これはあくまでも私の主観です。
にも関わらず、Aさんは日々の仕事をきちんとこなしていました。本当にすごかったです。
会社に行けなくても退職はできる
とうとうAさんはある時期を境に数ヶ月ほど休職。そのまま退職することに。
後からわかったのですが、社員が休日出勤した時にご家族が代わりに荷物を引き取りに来たそうです。
後日職場にはAさんからお菓子が送られてきました。退職の挨拶ができなかったことへの謝罪と、これまでのお礼を兼ねたものでした。
病気の症状によっては、自分が会社に行けない場合もあります。その場合だと「家族に代理で行ってもらう」「私物を送付してもらう」のいずれかの対応になるはず。
念のために書きますが、Aさんは悪くありません。もちろん今悩んでいるあなたも。病気の症状で会社に行けないのはみんなわかっていますから。そこであれこれ陰口を言う人の方がおかしいので。
あなたを悪くいう人ばかりではない
ひょっとしたらAさんは「会社に迷惑をかけてしまった」「職場で悪口とか言われてるかも」と思っていたかもしれません。
ですが、Aさんが復職できずに辞めたことを悪くいう人はひとりもいませんでした。日頃の状態をみんな知っていたからです。
Aさんが辞めた、と知らされた時。

体調がよくならなかったのなら仕方ないよね…この際しっかり休んで、完全によくなるといいね。
職場でそんな風に話したことをよく覚えています。もちろんAさんご自身の人柄や、普段の仕事ぶりがあってのこと。
その後Aさんの業務を一部引き継ぎましたが、特にこれといった問題も起きませんでした。
普段からきちんと働いていれば、必ずわかってくれる人はいるのです。
事情を察してあれこれ聞かないでくれる人もいます。決して、辞めることになった人を悪くいう人ばかりではないのです。
もしひどいことを言われたら
当時の職場ではいませんでした。ですがもちろんどこにでも、悪口や陰口を言う人はいます。
もしそういう人がいたら、悪意に満ちた言葉を受け流すために知ってほしいことがあるんです。
病気のことを少しでも理解していたら、ひどい言葉は出てきません。
他人のつらさや痛みが少しでも想像できるなら、思いやりに欠ける言葉にはなりません。
傷つくようなことを言ってくる人は、病気の正しい知識を持っていないことが非常に多いです。
仮に知識がなかったとしても、「そんな症状なら大変だっただろうな」と想像できる人はひどいことを言ったりしません。
なのでそんな人の言葉は真剣に聞く価値がなくて。
逆にたったひとりでもあたたかい言葉をかけてくれる人がいたなら、その言葉を大切にしてください。
いつかあなたが逆の立場になった時、その優しい言葉を伝えられるようになりますから。
休職からそのまま退職してもそれは失敗じゃない

これまでAさんの話をしてきましたが、私も過去に休職からそのまま辞めたことがあります。
何とか会社には行けたので、荷物を取りに行きお世話になった人にはお礼を伝えました。
最初の会社で失敗しており、入社時から色々対策をしていたのでスムーズに終わりました。
【退職の下準備5選】仕事をスムーズに辞めるためにやっておくべきこと
退職の手続きも片付けも、業務の引継ぎですら意外とどうにでもなります。そうなるように会社はできていますから。
過剰に「申し訳ない…」と思う必要もありません。体を壊すまで無理をしてしまったあなたと、その環境を作った会社とで責任は半々。次に同じ間違いをしなければオッケーです。
もちろん休職から復帰できずに辞めることになった…というのはつらい経験です。実際に大変だしつらかった。ですが、これも立派な経験です。
これからは同じような立場の人の気持ちがわかるようになりますよ。そしてその人をフォローすることもできます。つらかった経験も次に活かしていけば、失敗ではなくなります。
今はとてもつらくて苦しくて、心細いと思います。
だからこそ、体調が戻らずに復職できない状態なら。そのまま辞めて大丈夫。これだけは断言できます。
体調が良くなってきたら開き直って気分転換していいのです。ずっと病気やこれからのこと考えてても気が滅入るだけなので、アニメや映画を見るのは特におすすめ。
体調がよくなるにはどうしても時間がかかります。それまではゆっくり、心と体を休めてくださいね。