【インフルエンザの予防接種は必要です】正しい知識と根拠に基づいて判断しよう

【インフルエンザの予防接種は必要です】正しい知識とエビデンスに基づいて判断しよう

インフルエンザは重症化すると命に関わります。私のように喘息などの持病があったり、抵抗力が弱っている高齢者の方ならなおさらです。

そして何より、医学的根拠に乏しい情報を鵜呑みにして判断するのは、非常に危険です。

この記事を書いてるホシタニの経歴はこんな感じ。

  • 国公立大卒
  • 微生物学、免疫学、遺伝子工学など履修済(実験・実習含む)
  • 製薬業界で品質保証業務に関わっていた経験あり
  • 環境計量士(濃度関係)合格

学生時代は食品などの成分分析をしており、機器分析の知識を深めるために環境計量士という国家試験にも合格しています。インフルエンザとは直接は関係ないんですけどね。

医師ではないけれど、多少は専門知識がある一般人目線でこの記事を書いてみました。

なぜインフルエンザの予防接種が必要なのか?

なぜインフルエンザの予防接種が必要なのか?

なぜインフルエンザの予防接種が必要なのか改めて考えてみましょう。

よくある不要論としては

  • 予防接種しても感染するじゃないか
  • 効果がないって言われてる

このあたりですよね。どれも正しい知識とデータが解決してくれる疑問です。

とは言っても、エンベロープやらヘマグルチニンやらノイラミニダーゼなどの専門用語を使うと伝わらないので簡単にまとめます。

予防接種をしても100%感染は防げないけど

大前提として、予防接種をしてもインフルエンザを100%防ぐことはできないのです。

ここだけ読んで誤解しないでほしいのですが。それにもきちんと理由がありまして、

  • 流行するウィルスの型は完全に予測できない
  • ワクチンと流行した型がわずかでも違うと効果が出にくい
  • インフルエンザウィルスの構造自体が変化しやすい
  • 疲労や睡眠不足などで免疫力が低下していればかかりやすい

これ、よくよく考えたら当たり前なんですよね。

まず、どんな型が流行るか事前に完璧に予測するのは困難です。その上ワクチンの効果は流行してるインフルエンザウィルスの型と同じでないと最大限の効果は発揮できません。

なので年によっては告白します、実はインフルエンザワクチンの効果が弱まっていましたというようなことも起こります。

しかもインフルエンザウィルス自体、ワクチンの効果に関わる部分の構造が変異していくので…100%完全に防ぐ、ということは本当に難しいのです。

もっとも、インフルエンザワクチンの本来の目的は重症化を防ぐこと。予防接種をしておけば、もし感染してしまってもそれほど悪化しないで済むと考えるとわかりやすいです。

インフルエンザの恐ろしさはもやしもんの2巻を読むとよくわかります。学生の時はもやしもんにドハマりしており、微生物学が楽しくてしょうがなかった思い出があります。ありがとうもやしもん。

話が逸れました。
それに加えて、疲労が溜まっていたり睡眠不足が続いていたりで免疫力が落ちている状態だと、なおさら感染しやすいです。

つまり、予防接種をしてもインフルエンザに感染するのは、ワクチンだけが原因ではないということです。

これを知ってほしかった!

インフルエンザ予防接種の有効性【根拠あり】

インフルエンザの予防接種

次に、予防接種の有効性を見ていきましょう。

この疾患を予防する最も有効な方法は、予防接種です。安全で有効なワクチンがあり、60年以上使われてきました。ワクチン接種による免疫は時間の経過とともに低下していきます。インフルエンザを予防するには、毎年のワクチン接種が推奨されます。不活性化インフルエンザ・ワクチン注射剤は、世界中で最もよく使用されています。

健康な成人では、流行しているウイルスがワクチンのウイルス株と完全に一致していなくても、保護をしてくれます。しかし、高齢者では、インフルエンザ・ワクチンは疾患予防の効果はそれほど大きくありません。それでも、疾患の重症度、合併症の発生率および致死率を低下させる可能性はあります。ワクチン接種は、特に、重篤なインフルエンザ合併症の起こるリスクの高い人や、ハイリスクの人と一緒に暮らしている人、又はその人の世話をしている人にとっては重要です。

季節性インフルエンザ (ファクトシート)

WHOの2017年ファクトシートの日本語訳です。FORTH|厚生労働省検疫所から他の感染症についての訳も読めます。

ファクトシートに書かれているように、重症化を防ぐことが大切。特に自分のように喘息持ちの方は重症化したら命に関わります。

もっとわかりやすい説明はインフルエンザQ&A|厚生労働省をどうぞ。少し読みにくいのが難点ですが、よくある疑問に対する回答がすべて書かれているので、一度読んでみることをおすすめします。

また、こちらの記事もおすすめ。
» 小児のインフルエンザの感染を予防する方法について【相談】|Dr.KIDの小児科クリニック

現役小児科医の方が運営されているブログです。赤ちゃんとご家族は予防接種を受けた方がいい理由に加えて、説明も丁寧でわかりやすいですよ。

ここで紹介したサイトやブログはごくごく一部。

一般の方にはどうしても見つけにくいのですが、論文もたくさん出ています。

「予防接種は不要」論の落とし穴

わかりやすく解説します、インフルエンザ予防接種の効果の有効率・・・かなり誤解されていますにも記載があるのですが、

不要論とか言う人に限って論文書いてないし、書いてても信用に欠けることが本当に多くてもう…

ニセ医学によくある傾向

  • 論文書いてない
  • データを読み間違えている
  • 0%か100%の両極端
  • 信用に足るデータがない

トンデモ医学とかニセ科学とか大体このパターンに当てはまります。それっぽいことを言ってはいるのですが…ほとんどのケースで信用できるデータも根拠も存在していません。

主張が極端というのも特徴です。ゼロリスクは証明できませんからね。悪魔の証明で検索してみてください。予防接種に限らず色々な要素が絡み合ってるので、どんなことでも断言できないのが普通です。

インフルエンザ予防接種ワクチンは打たない派の方へ・・・なんで判ってもらえないんだろう?追記ありこの記事もぜひご覧ください。

  • 論文はあるか
  • 信憑性のあるデータなのか
  • 同じ分野の専門家から酷評されていないか

これを確認するだけでも間違った情報に振り回されずに済みますよ。特に、この記事がわかりやすかったです。

予防接種と抗インフルエンザ薬の違い

ウィルス

せっかくなので質問です。

「予防接種」と「インフルエンザに感染した時に飲む薬」の違いって言えますか?おそらく、ほとんどの人ははっきり答えられないと思います。答えは以下の通り。

  • 予防接種:体内にウィルスの抗体を作って重症化を防ぐ
  • 抗ウィルス薬:体内でウィルスが増殖するのを抑える

こういう認識でOKです。はたらきがそれぞれ違うんですね。実はインフルエンザウィルスって、ウィルス単独では増殖できないんですよ。人などに感染してはじめて増殖できるようになるので、抗インフルエンザ薬はそれを防いでくれるわけです。作用機序は長くなるので割愛。

薬についてわからないことは、くすりQ&A | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構を参照してみてください。

(超余談)
学生の時に使ってた教科書が大分カラフルになってて驚き。

予防接種してたけどインフルエンザになったときの話~かなり楽でした~

ここからは個人の体験談です。あくまで参考程度の話、になります。

小学校低学年の頃は何度かインフルエンザにかかり、お正月に家族全滅して点滴受けたことがあります。ただ予防接種をしてたかの記憶が定かではありません。申し訳ない。

で、元々体が弱くアレルギー性鼻炎持ちということもあり、高校受験の年からなんだかんだ毎年予防接種をするようになりました。

ホシタニ家の予防接種歴。

  • 毎年予防接種を続けてる(15年くらい)
  • 父:発症なし
  • 母:発症なし
  • 私:8連勤後に発症した1度だけ罹患

全然かかってなかった。しかも私がインフルエンザになったの、8連勤後でかなり疲労が溜まって免疫力ガタ落ちしてた年なのでほぼ例外ですね。タミフル処方されましたけどインフルエンザの特効薬は効果がなかったらしいです・・・国が備蓄したのはどうするんだろう?治ってからこの記事に気が付いて苦笑いです…w まぁ抗インフルエンザ薬はタミフル以外にもたくさんありますからね。

ただこの時は発症したけどかなり楽でした。

感染したのがB型というのもあったかもですが、食欲もずっとあって、やたらくしゃみと咳がひどい風邪のような感じでした。治るのも早かったですね。

特に喘息の状態も悪化しなかったので、予防接種しておいてよかったなぁと思ってます。

自分と周囲を守るためにもインフルエンザの予防接種は必要

自分と周囲を守るためにもインフルエンザの予防接種は必要


特に、自分のように喘息持ちの方はインフルエンザが重症化したら命に関わります。万が一を防ぐためにも予防接種はすべきです。予防接種後、体内に抗体ができるまで早くても2週間以上かかります。できるだけ早目に済ませておくのがおすすめです。

予防接種前の状態を記入する際に持病、既往歴、飲んでいる薬をすべて書いて、不安な点は事前に医師に確認する。これだけで副作用等を起こる確率は格段に減らせます。不安や疑問がある方ほど、必ず医師や薬剤師に確認しておきましょう。

この記事を書いた自分が言うのもなんですが、正しい知識を持った医師に聞くのが一番ですから。

この記事を読んで、インフルエンザの予防接種を受ける人がひとりでも増えますように。